睡眠不足の危険性とは?
  1. 睡眠負債とは?睡眠不足との違いやその危険性について検証しました

睡眠負債とは?睡眠不足の危険性を紹介

睡眠負債と睡眠不足の違い

睡眠負債と睡眠不足の違い

最近よく「睡眠負債」という言葉を耳にするようになりました。「睡眠不足」と「睡眠負債」、何が違うのでしょうか?

忙しくて徹夜してしまった時などは、休日ゆっくり過ごしてリフレッシュすればスッキリできますよね。これが睡眠不足。睡眠不足による「足りない睡眠」は、早めの対応で解消が可能です。

一方、睡眠負債は本人にその自覚があまり無いままに、少しずつ蓄積されていった「累積された睡眠の不足」です。長期に渡る睡眠の不足は脳や体にも様々な悪影響をあたえ、簡単に解消することはできません。

睡眠負債に陥っているか知るためには、適正な睡眠量を知らなければなりません。よく「8時間は寝たほうが良い」とか「いや7時間で充分」などといわれますが、必要な睡眠時間には個人差があります。

本当に自分に必要な睡眠時間は、休日など時間を気にせず寝ていても大丈夫な日に、カーテンを閉めて時計を隠し、自然に目覚めるまで眠ってみるとわかります。単なる「睡眠不足による長寝」と区別するため、GWなど数日間休みが続くときに試してみると良いでしょう。

気の済むまで眠った時の睡眠時間の方が平日の睡眠時間より長ければ、それだけ睡眠が足りてないことになります。2時間以上の差がでた場合には「睡眠負債」を起こしていると考えられます。

睡眠負債が招く心身の健康リスク

睡眠負債が招く心身の健康リスク

日本は、世界の先進国の中で群を抜いて睡眠時間が短い国です。

フランス8.5時間、スペイン・イギリス8時間、アメリカ7.5時間などに対し、日本は平均6.5時間しか眠っていません。恐らく、多くの人が睡眠負債を抱えていることでしょう。

睡眠負債が原因で起こるといわれている、最も怖い病が「認知症」です。

認知症の原因物質の一つアミロイドβタンパクは、睡眠が足りないと脳の中に溜まっていきます。最近の研究で、この物質が神経細胞に悪影響を及ぼしアルツハイマー型の認知症を引き起こすことがわかってきました。睡眠時間が7時間未満の場合、リスクは1.7倍だそうです!

アミロイドβタンパクを溜めないためにも、充分な睡眠を確保したいですね。

もう一つ、睡眠負債が原因で起きるといわれているのが「糖尿病」です。

血糖値が上がるとインシュリンが分泌されて下げてくれますが、このインシュリンの働きが、睡眠不足の状態だと妨げられることが分かっています。また、覚醒状態ではアドレナリンが分泌されますが、その影響でインシュリンが出にくくなることも分かっています。覚醒時間が長く、睡眠時間が短い期間が続くと、やがてインシュリンの分泌量そのものが減り、糖尿病が引き起こされてしまうのです。

30代、40代の働き盛りの皆さんは「少しくらいの睡眠不足なんて」と思っているかも知れません。でも、睡眠不足が長じて「睡眠負債」を溜め込むようになると、付随して様々な病のリスクも高まります。

毎日の睡眠、しっかり摂りたいですね。

今日からできる睡眠負債を減らす生活習慣

今日からできる睡眠負債を減らす生活習慣

睡眠は、体内時計と神経伝達物質、2つの働きでコントロールされています。これらは全て、体内の化学反応によるものです。睡眠中に脳や体の疲れがとれるのも化学反応によります。無理に長く眠っても疲れは一定量しか取れませんし、体内時計が狂って睡眠リズムが乱れたら本末転倒です。

睡眠は貯めることができません。とにかく「不足分(負債)を溜めない」ことが重要なのです。

睡眠負債を減らす第一の方法は、良質な睡眠時間を増やすことです。

まず毎日の睡眠時間を最低でも6時間、確保しましょう。テレビのつけっぱなしを止め、朝ギリギリまで寝たい人は、寝る前に翌日の支度を用意しておくようにしましょう。

夜の睡眠時間の確保が難しい人には「昼寝」がおすすめです。

平日正午から15時までの間に20分程度仮眠する「パワーナップ」は、睡眠時間を増やすだけでなく、脳をリセットして午後のパフォーマンスを高めてくれる効果があります。昼休憩の前半で昼食を済ませ、後半机に突っ伏したり椅子にもたれかかったりして眠ります。グッスリ寝入ってしまわないよう横にならないこと、30分以上にならないようにすることがポイントです。また寝る直前にコーヒーを飲んでおくのもおすすめ。カフェインの効果ですっきり寝覚められます。

睡眠の不足分を週末に補う場合には、体内リズムを乱さないよう、平日との睡眠時間の差を2時間以内に収めましょう。

また睡眠の質を高めるのも効果的です。脳と体、全てを休ませる深い睡眠の時間が伸びれば、睡眠時間そのものを伸ばしたのと同じ効果があります。

深い睡眠を得るためには、就寝前の準備が大切です。消化活動は深い眠りの妨げになりますから、夕食は就寝の2~3時間前に済ませましょう。夕方と夜食の2回軽めに食べる「分食」もおすすめです。

季節に合った服装や寝具を整えること、部屋の温度や湿度を適正に保つことも大切です。

睡眠物質メラトニンの分泌を促すには、就寝前にTVやゲーム・スマホの画面を見ない(ブルーライトを軽減する)こと、そして朝の太陽を浴びることが有効です。朝の日光は体内時計をリセットしてくれますので、寝室のカーテンを少しだけ開けておくと、自然な目覚めが迎えられます。またメラトニンの元になるセロトニンを増やすために、昼間の日光を浴びるのも効果的です。時々窓辺に立って深呼吸するなど、太陽の光に当たる時間を作るようにしましょう。

毎日のちょっとした努力で、睡眠負債を減らしていきましょう!

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